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支援教材の実践例21 筆圧指導で劇的な効果 [国語の学習支援]

筆圧迷路1.JPG


 ある小学生の子に、迷路の枠線にぶつからないように、線を引いてもらいました。結果、17か所のミスがありました。この子を観察すると、筆圧がものすごく強いのが分かりました。そこで、一週間後、筆圧の調整をして同じ課題をしてもらったところ、次のように激変しました。


筆圧迷路2.JPG


ミスはたったの2か所。筆圧が強すぎると、字形が整わず、画数の多い漢字を書いたり、小さい文字を書くのが難しくなります。(間違えた時にケシゴムで消すのも、子どもにとってストレスです)


<こんなにも簡単な指導内容>


では、実際にどのような指導をしたか。実は、「鉛筆の持つ位置を、少しだけ高くした」だけです。すると、手首の力が入りづらくなり、逆に、指先のコントロールがしやすくなります。現在、鉛筆を持つ位置にシールをはって、練習しています。他にも、〇姿勢を良くする 〇鉛筆を持っているときに、小指を手のひらにつける でも筆圧は弱まります。即効性があるので、お試しあれ。




蛍の見学会をしました [ちょっとお茶でも]

 6月16日に、GIFTの生徒やお茶会のメンバー、保護者の方達とともに、蛍(ホタル)見学会をしました。GIFTのある上郷町には、地元民が知っているゲンジボタルの見学スポットがあります。GIFTから歩いて15分の距離。とても蛍が美しく、子ども達も蛍を手のひらに乗せて大興奮でした。参加した男の子が「いつまでも持ってちゃダメだよ!ホタル死んじゃうからね」と言っているのが微笑ましかったです。毎年の恒例行事にしようと思います。

繰り下がり引き算買い物ゲーム(算数の学習支援) [算数の学習支援]


繰り下がり買い物ゲーム.JPG


繰り下がりの引き算の練習をするために、ゲームを作ってみました。教科書の文章題にも対応しています。

<ゲーム内容> 予算内でおつりをなるべく少なくなるように、上手に買い物をした人が勝ちというゲーム

<やり方>

  ①裏返した、お財布カードを引いてもらいます。それがプレイヤーの予算です。

  ②プレイヤーどうしジャンケンをし、勝った人から、商品カードを1枚とります。1枚とったら、必ず筆算の引き算を行い、財布の残りの金額がいくらか確かめてもらいます。

  ③もうこれ以上買い物ができないとなった時に、おつりの金額をくらべ、一番少ない人が勝ちです。

<このゲームで学べること>

  〇筆算の繰り下がり引き算を覚えたての子が対象です。実際の生活の場でどのように使えるか実感できます。

  〇ゲームではなるべく繰り下がりが起きるように値段設定していますが、繰り下がりがないケースも生じます。その時に、きちんと適応した手順の引き算ができるか確認できます。よく内容を理解していない子は、何でも繰り下がりの手続きをしてしまうことがあります。

 〇ゲームに慣れたら、ゲームの内容を文章題にして出してあげると良いでしょう。


ブログでご紹介した、筆算の繰り下がり引き算の、支援教具と組み合わせて使うとより効果的です。



         上郷個別教室GIFT 内田雄二


         お問い合わせはこちらまで!

              yf388755@rc4.so-net.ne.jp







引き算繰り下がりが覚えられる支援教具(算数の学習支援) [算数の学習支援]

繰り下がりマスク.JPG


 引き算の繰り下がりの手順を、覚えるのが苦手な子のための支援教具としてマスキングを作成しました。マスキングとは、余計な情報を見せないことで混乱を防ぎ、なおかつ、手順に導くツールです。視覚情報に混乱しがちな子には特に有効です・GIFTでは良く使います。

では、マスキングを使って計算してみます。

(1)例題(専用テンプレートを使用)

繰り下がりマスク①.JPG


(2)マスキング①をかぶせる

繰り下がりマスク②.JPG


(2)以下のように記入する

繰り下がりマスク③.JPG


(3)マスキング②をかぶせて、計算

繰り下がりマスク④.JPG


(4)マスキング③を使って計算

繰り下がりマスク⑤.JPG


(5)マスキングを外すと、次のように出来ている

繰り下がりマスク⑥.JPG


マスキングは子どもが手順を覚えたところから徐々に外していきます。

そんなにかからず、マスキングがなくても計算できるようになります。


 上郷個別教室GIFT 内田雄二


  お問い合わせはこちらまで

    yf388755@rc4.so-net.ne.jp

    




回転図形による視覚認知、視覚性ワーキングメモリトレーニング [認知能力トレーニング]

回転図形カード.JPG

 ※以前のものに、記事を追加しました


 以前から、イメージの中で図形を回転させるのが苦手な子は、図形を回転させる経験をさせる中でトレーニングするのが一番と思い、写真のような視覚認知トレーニングキッドを作成してみました(カードは写真より多いです)。未就学児から使えます。使い方は、シャッフルされたカードからまったく同じ形のカードを2枚ずつ探して、場から取り除いていくというものです。一度やってルールを把握したら、タイムをはかります。

 

<初級編> 自分で触って、カードを移動したり、回転させたりして比べることができる

 

<上級編> 場から取り除く時以外は触ってはいけない。つまり、イメージの中で回転させる必要がある


 ※カードどうしの配置がシャッフルされて離れているものもあるため、図形どうしを比べるためには、視覚性ワ

  ーキングメモリに一度入れてから、イメージの中で回転させて比較しなければなりません。視覚性ワーキング

  メモリが弱い子は、何度も同じ図形を確かめるので、タイムがかかったり、見間違いが多くなります。

 

 初級編を4歳の娘に初級編で体験してもらったところ、2回目のタイムが7分45秒でした。また、娘なりに形の傾向を分類してカードを集め、チェックしていたのが面白かったです。小学校高学年の子にも上級編で何人かやってもらいましたが、最初は6分前後かかる子が多いです。視覚性ワーキングメモリが鍛えられていくと、どんどんスピードは速くなっていきます。

 

脳のワーキングメモリを鍛える!の紹介 [読書レポ]

「脳のワーキングメモリを鍛える」

 トレーシー・アロウエイ ロス・アロウエイ 著 (NHK出版)

 脳のワーキングメモリを鍛える.jpg

 <感想>

 ワーキングメモリについての、 最近の研究成果をとてもわかりやすく紹介した本です。ワーキングメモリをトレーニングする効果についてのたくさんの可能性について触れられており、大変ワクワクする内容でした。

 ワーキングメモリがWISCⅣ心理検査でも大きく取り上げられているのに、分かりやすく、実際の教育に応用できる本になかなか出会えません(私は学者ではないので、常にその視点で書籍を探しています。最近、言語性のワーキングメモリのトレーニング本は少しずつ見られるようになりました)。その中で、ワーキングメモリとは情報処理能力であると分かりやすく明言。また、ワーキングメモリがトレーニングによって伸ばせると明言され、その効果についても述べられています。 

 また、ワーキングメモリが学習全般と、人生全般に大きく影響することが理解できます。意外と違う視点で、面白かったのはワーキングメモリと幸福感について相関があるという研究です。アロウィン博士の研究チームの研究によれば、ワーキングメモリが強い人と楽観性には相関性があるということ、ワーキングメモリが強い人は、ウツになりづらいというなどの結果が得られたそうです。

研究者から見たら、賛否両論の意見もありそうな内容もありましたが、同書は、学習という視点からはもちろん、もっと広い視点と多角的な角度から、ワーキングメモリについてどのような研究がなされているのか書かれています。トレーナーとしての私には、たくさんのヒントとインスピレーションを頂けた内容でした。


ワーキングメモリが強化された時の効果がイメージできるシミュレーション [認知能力トレーニング]

ワーキングメモリシミュ.JPG


 数人の方を集めて、認知トレーニングのミニワークショップを開いた時に使用したものです。ごく単純化していますが、ワーキングメモリが強化された時の効果がイメージできるシミュレーションができます。

 0~9までのカードが赤青緑の3色あり、シャッフルされています。それを片手のみ使って、0から順番に、しかも色別に並び替えてもらいます。ただし、カードが置けるのは、ボードの上のみ(黄色とWMと書いてある)です。WMはワーキングメモリの領域の大きさを表しています。ちなみに左は、ワーキングメモリの領域が小さい人、右は大きい人を表しています。実際にやってみると、左はかなり苦労し、混乱します。情報量をこなすだけのワーキングメモリがないからです。(ワーキングメモリが弱い子は授業中に同じように混乱しています)。ところが右のボードで試してみると、情報が整然と整理することができ、混乱なく並び替えることができます。ワーキングメモリは作動記憶と訳されますが、よく「作業台」に例えられます。このシュミレーションは文字通り、作業台です。そして、タイムを計ってみても、左右の差は歴然です。これは処理速度とワーキングメモリの関係を表しています。もし良かったら、トランプなどを使って体験してみて下さい。








問題解決に必要なワーキングメモリ(放送大学の講座より) [教育の小ネタ]

<問題解決に必要なワーキングメモリ> 


以下、放送大学の発達心理学特論より抜粋です。


 メタ認知による問題解決過程の自己制御の基盤となるものが「実行機能」です。実行機能は次の3つから成り立ちます。


<実行機能>


 (1)ワーキングメモリ・・・問題解決のために同時に複数の情報を保持し、必要に応じて情報を更新


 (2)柔軟性・・・状況に応じて行動や方略を修正


 (3)抑制・・・問題解決を事前にプランニングし、問題解決に不適切な反応を抑制し、適切な行動に注意を向け遂行


 例えば演繹推論をする課題。 ①マキシ君はチョコを青い棚にしまって出かけました②お母さんがマキシ君がいない間にチョコを少し使って、残りを赤い棚にしまいました③マキシ君が帰ってきてチョコを食べようと思いました。さて、マキシ君は青と赤のどちらの棚を探すでしょうか?というものです。


 この課題に正解するためには、自分の知る事実を抑制しつつ、他者の誤信念を処理するという、様々な情報を同時に処理しなければなりません。ワーキングメモリや抑制の制御が必要となります。


 ワーキングメモリの容量が高まると、柔軟性や抑制の能力が高まります。実際に、演繹推論の課題ではワーキングメモリの容量が高いほど、正解率が高いことが確認されているそうです。


  ちなみに、この度の放送大学の講義では紹介されていませんでしたが、後だしジャンケンで負けるゲームなどの遊びは、ワーキングメモリを鍛えるのに有効だそうです。 確かにこの遊びと上記過程を比較すると、うなづけます。