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脳のワーキングメモリを鍛える!の紹介 [読書レポ]

「脳のワーキングメモリを鍛える」

 トレーシー・アロウエイ ロス・アロウエイ 著 (NHK出版

 脳のワーキングメモリを鍛える.jpg

 <感想>

 ワーキングメモリについての、 最近の研究成果をとてもわかりやすく紹介した本です。ワーキングメモリをトレーニングする効果についてのたくさんの可能性について触れられており、大変ワクワクする内容でした。

 ワーキングメモリがWISCⅣ心理検査でも大きく取り上げられているのに、分かりやすく、実際の教育に応用できる本になかなか出会えません(私は学者ではないので、常にその視点で書籍を探しています。最近、言語性のワーキングメモリのトレーニング本は少しずつ見られるようになりました)。その中で、ワーキングメモリとは情報処理能力であると分かりやすく明言。また、ワーキングメモリがトレーニングによって伸ばせると明言され、その効果についても述べられています。 

 また、ワーキングメモリが学習全般と、人生全般に大きく影響することが理解できます。意外と違う視点で、面白かったのはワーキングメモリと幸福感について相関があるという研究です。アロウィン博士の研究チームの研究によれば、ワーキングメモリが強い人と楽観性には相関性があるということ、ワーキングメモリが強い人は、ウツになりづらいというなどの結果が得られたそうです。

研究者から見たら、賛否両論の意見もありそうな内容もありましたが、同書は、学習という視点からはもちろん、もっと広い視点と多角的な角度から、ワーキングメモリについてどのような研究がなされているのか書かれています。トレーナーとしての私には、たくさんのヒントとインスピレーションを頂けた内容でした。


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ワーキングメモリが強化された時の効果がイメージできるシミュレーション [認知能力トレーニング]

ワーキングメモリシミュ.JPG


 数人の方を集めて、認知トレーニングのミニワークショップを開いた時に使用したものです。ごく単純化していますが、ワーキングメモリが強化された時の効果がイメージできるシミュレーションができます。

 0~9までのカードが赤青緑の3色あり、シャッフルされています。それを片手のみ使って、0から順番に、しかも色別に並び替えてもらいます。ただし、カードが置けるのは、ボードの上のみ(黄色とWMと書いてある)です。WMはワーキングメモリの領域の大きさを表しています。ちなみに左は、ワーキングメモリの領域が小さい人、右は大きい人を表しています。実際にやってみると、左はかなり苦労し、混乱します。情報量をこなすだけのワーキングメモリがないからです。(ワーキングメモリが弱い子は授業中に同じように混乱しています)。ところが右のボードで試してみると、情報が整然と整理することができ、混乱なく並び替えることができます。ワーキングメモリは作動記憶と訳されますが、よく「作業台」に例えられます。このシュミレーションは文字通り、作業台です。そして、タイムを計ってみても、左右の差は歴然です。これは処理速度とワーキングメモリの関係を表しています。もし良かったら、トランプなどを使って体験してみて下さい。








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問題解決に必要なワーキングメモリ(放送大学の講座より) [教育の小ネタ]

<問題解決に必要なワーキングメモリ> 


以下、放送大学の発達心理学特論より抜粋です。


 メタ認知による問題解決過程の自己制御の基盤となるものが「実行機能」です。実行機能は次の3つから成り立ちます。


<実行機能>


 (1)ワーキングメモリ・・・問題解決のために同時に複数の情報を保持し、必要に応じて情報を更新


 (2)柔軟性・・・状況に応じて行動や方略を修正


 (3)抑制・・・問題解決を事前にプランニングし、問題解決に不適切な反応を抑制し、適切な行動に注意を向け遂行


 例えば演繹推論をする課題。 ①マキシ君はチョコを青い棚にしまって出かけました②お母さんがマキシ君がいない間にチョコを少し使って、残りを赤い棚にしまいました③マキシ君が帰ってきてチョコを食べようと思いました。さて、マキシ君は青と赤のどちらの棚を探すでしょうか?というものです。


 この課題に正解するためには、自分の知る事実を抑制しつつ、他者の誤信念を処理するという、様々な情報を同時に処理しなければなりません。ワーキングメモリや抑制の制御が必要となります。


 ワーキングメモリの容量が高まると、柔軟性や抑制の能力が高まります。実際に、演繹推論の課題ではワーキングメモリの容量が高いほど、正解率が高いことが確認されているそうです。


  ちなみに、この度の放送大学の講義では紹介されていませんでしたが、後だしジャンケンで負けるゲームなどの遊びは、ワーキングメモリを鍛えるのに有効だそうです。 確かにこの遊びと上記過程を比較すると、うなづけます。 


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